音楽クイズ NO.221 怪盗ギロ 世界で2番目の宝石


 年末の大仕事に向かった時の話である。ターゲットは「世界で2番目に貴重とされるダイヤモンドの首飾り」。悪徳で名高い会社の社長が所有し、そのクリスマス・イベントで展示するというもの。

 私、怪盗ギロはカメラのある幹線道路を迂回し、山側のローカル道で現地に向かう。木々は寒々と冬の装いとなり、木枯らしで落ち葉も舞っていた。少し早い夕食をと、小高い丘の上にあるドライブインに立ち寄った。

 「おまちどうさま」・・・可愛らしい声がして、ノンアルコール・ビールがテーブルに運ばれてきた。どうやらこのドライブインの娘さんで、小学2年生くらいだろうか。「ありがとう」と顔を見ると、何とも吸い寄せられそうな澄んだ目をした笑顔の素敵な女の子だった。眼下のすばらしい景色と夕日を眺めながら、ノンアルコール・ビールでのどをうるおす。すると、かたわらで、さっきの女の子がこちらをじっと見ている。「チップがほしいわけでもないだろうに・・・」と思いながら微笑み返すと、いたずらっぽい笑顔でしゃべり始めた。

「おじさん・・・。詞のない冬の動物の歌って知ってる?」

「えっ・・・詞のない冬の動物の歌?」 いきなり音楽の質問?おもしろい子だな・・・

考えてはみたが思い当たらず、「ヒントくれる?」と言ってみた。

「おしゃれでおもしろい動物の歌だよ」

「おしゃれでおもしろい動物の歌ねえ・・・」 考えてみたがわからず、降参した。

 すると女の子は「うふっ」と笑って、答えも告げず去って行った。「へんな子だな」と思いつつ、気持ちを切り替え、ともあれ腹ごしらえをした。

 会計を済ませ店を出ようとしたら、あの女の子がまたあの笑顔で話しかけてきた。「おじさん、もうすぐ、世界で2番目の宝石が見られるね!」・・・私はドキッとした。まさかとは思うが、小さな女の子に心の中を見透かされているような・・・不思議な子だ・・・車を出してからも、その何とも言えない視線をしばらく感じていた。

問 題 「詞のない冬の動物の歌」とは何?

     また、なぜ女の子は「世界で2番目の宝石」のことを知っていた?