音楽クイズ NO.187 答 |
イルミネーションの点滅が、秒針と同じ速さということは、 ◆近くの料理店で・・・ 「わずか2分足らずじゃない。ギロさん、さんざん待たされたみたいに言うわね。歳のせいで、せっかちになったんじゃない。」 「ははは、そう言わないでくれたまえ。早く君にこれを届けたかったのさ。」と言って、ギロは四角い包み紙を差し出した。 「あら、クリスマス・プレゼント? うれしい! 開けてもいい?」 「どうぞ、君が前から欲しがっていたものさ」 リンダはていねいに包み紙を開けた。 「おお、何てこと!・・・」 ギロのプレゼントは1枚の絵画だった。しかも、リンダがずっと探していたものだった。リンダのおじいさんは有名な画家だったが、多くの作品は、戦争で略奪されてしまった。リンダは、愛するおじいさんの、不当に略奪された作品を回収するために、女泥棒になった。 「ギロさん、ありがとう。・・・大きな借りができたわね。・・・さすがだわ。」リンダはガラにもなく涙ぐんでいた。最も思い出のある絵だったのだ。 「それから、もう一つ。」ギロは、すてきなネックレスを差し出した。 「え!これ、わたしがつけていたネックレスじゃない。・・・本当に油断もすきもないわね。」 「さっきの財布のお返しさ。」 「ギロさん!!可愛い娘を泣かしておいて、人の物を奪うなんて、最低! 108回のイルミネーションの点滅で、少しは、心の煩悩をはらったらどう?」 「ありがとう、そうさせてもらうよ。」 ウィンドウの外は、いつしか雪になっていた。 メリー・クリスマス。 |